うっかり忘れ防止に。覚えたことをもう一度学ぶと忘れにくくなる
スポーツでは、どんなことを覚えるのにも、型があります。
型を覚えるためには反復練習をしますね。
繰り返していくことで、だんだんとさまになっていって体が自然に動くようになります。
これと同じように、勉強で新しいことを覚えるときのも、反復練習が必要です。
その瞬間覚えるだけなら一度読めば記憶に残るでしょう。さすがに3歩歩いたら忘れるような鶏ではありませんから、しばらくはおぼえています。
しかし、その知識が必要なテストのころには多くが忘れられていますね。
これを定着させるには反復して覚える必要があります。
これを「過剰学習」と呼びます。
覚えたと思ってもさらに学習することをいいます。
脳は、見たもの聞いたものをいったんきおくします。この時の脳はまだ柔軟な状態です。
ですから、何かを覚えた後でほかの何かを見たり聞いたり、また覚えたりすると、初めにおぼえた記憶に上書きされて覚えてしまうのだそうです。
私はよく経験したのですが、たとえばある日の夜、家の2階にいて「なんかアイスが食べたい」と思います。
それで1階にある冷蔵庫まで歩いていきます。
その間に、外からカエルの鳴き声がにぎやかに聞こえてきます。
実家は田舎なので近くに田んぼがあって、そこから聞こえてくるカエルの鳴き声がけっこう情緒的でいいんですね。
それで「ああ、夏だなあ」と思いながらそのまま歩いていきます。
冷蔵庫の前までくると、自分が何をしに来たのかすっかり忘れているわけです。
こういうことないでしょうか?
これは、はじめに「アイスたべよ」という記憶がカエルの鳴き声を聞いて「夏だなあ」と思ったことにかき消されてしまったんですね。
アイスは忘れても別に良いのですが、勉強して覚えたことを忘れてしまうのは致命的ですよね。
忘れないためには、覚えたと思ってからも続けて学習をするのが効果的です。続けて学習をすると、脳は柔軟な状態から安定した状態に急に変わるポイントがあるそうです。
そこまで記憶を焼き付けると、後でほかの記憶が入ってきても忘れなくなります。
だから、さっき私がアイスのことを忘れた例では、アイスのことを考えたとき、なんっども「アイスアイスアイスアイス」と反復して記憶に刷り込むと、カエルの声がしても忘れなくなります。はたしてそれだけの努力が必要なことかどうかはナゾですが。